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イーベックは、2003年1月北海道大学遺伝子病制御研究所名誉教授高田賢蔵氏(当社創業者)が持つ「EBウイルスを利用したヒト抗体産生技術」の実用化を目的として設立しました。 

ヒトの末梢血リンパ球から抗体を得るこの技術の特徴は、効能が高い完全ヒト抗体をより安全に産生できる点にあります。創業以来、「高度で独創的な技術により広く人類の健康、福祉に貢献」するとの経営理念のもと、事業を進めてまいりました。

当社の事業目的は
1.これまでは難治であるとされた病気の治癒
2.より患者様にとって負担の少ない薬の開発
3.早期に診断する機器開発のための高性能抗体の開発
をすることです。

効能が高く、副作用も少ないことが予想され、抗体のヒト化などの技術や手間が必要ないことから、患者様の肉体的、経済的負担の軽減、健康保険財政の大幅改善など国民福祉に寄与できる技術を開発しております。

ベンチャー企業の独創的な技術導入により、大手企業が画期的な商品を市場に出す事例は増える傾向にあります。製薬業界、医療機器業界でもオープンイノベーションはますます進みます。当社は国内外の製薬企業や医療機器メーカーとのアライアンスにより医薬や医療機器を世に出し、多くの患者様に喜んでいただきます。
ますます拡大を続ける抗体医薬分野において重要となる抗体作製工程に特化し、技術の独創性と品質の高度化、標準化を確立することにより、人類の健康、福祉に貢献します。

イーベックの戦略

1.治療用抗体作製を柱に診断用、検査用、研究用抗体作製にも参入

イーベックは2002年の創業から14年間、治療用抗体の開発をメインに事業を推進してまいりました。これは、ヒト末梢血に存在する抗体が非常に優秀であり、治療用抗体として活用できるという理由からの戦略でした。その結果、大手製薬企業2社とライセンス契約を締結し当社の抗体の品質が証明された次第です。今後も治療用抗体作製がイーベックの主力事業です。


一方、これまでも診断用、検査用抗体作製についてホームページから多くのお問い合わせをいただいておりました。企業や研究機関との度重なる面会の結果、診断薬の一部にもヒト抗体に対するニーズがあることがわかり、イーベック作製抗体の優位性が明らかになりました。診断薬に使用する抗体はヒト体内に投与されることがないため、ヒト抗体の利点である「低免疫原性」については、ほぼメリットがありません。


しかしながら、ヒト抗体の強みである、「高抗原結合性」については大きなメリットとなります。さらに、ヒト末梢血から作製したイーベックのヒト抗体には、診断薬において偽陽性、偽陰性となりうる要素であるヒト抗マウス抗体(HAMA)の影響がありません。

2017年4月より、診断薬、検査薬用抗体開発事業を立ち上げました。すでに多くの企業、大学から受注をいただいており、短期間でイーベックのもう一つの主力事業となっております。

2.自前開発中心から共同研究による開発へ
これまではイーベック独自で開発項目を決定し開発を進めることが中心でしたが、2016年より積極的に企業、大学、研究所等との共同研究を進めております。
特定の疾患や作製技術を持つ研究者の方々の知見やノウハウとイーベックの技術力を結び付けることで、より良い抗体を作製し、作製後の開発もスムーズに進めることが狙いです。 2017年に入り、複数の大学の研究者の方々と共同研究、共同開発が始まっています。

ヒト末梢血には素晴らしい抗体が存在しています。この理論から、当社では、重篤な症状を呈する病原体においては、「感染症を克服したヒトからは病態を引き起こした病原体に対する防御活性の高い抗体が取得される可能性が高い」と判断しています。

これまで当社は、健常人の末梢血を材料として、日和見感染症や健常人において抗体保有率の高い感染症を対象に抗体を作製してまいりました。しかし、スタートの材料を変えることで、新興再興感染症やパンデミックを起こしかねない重篤な症状を呈するエボラ出血熱、デング熱、ジカ熱やSARSさらにはMERSにいたる防御用抗体の開発が、理論上可能になる筈です。

また、このような抗体は、アジアやアフリカ地域の経済発展や2020年の東京オリンピック、観光産業強化にともない、人の動きが活発になることによって、日本にもそれらの感染症が入ってくるリスクは高まっており、インバウンド対策として必要性を増すだろうと推測しています。
疾病を治癒された方の血液が手に入れば、もっと効能が高くより広範囲の抗体開発が可能です。

そこで、他の機関とともに、新興再興感染症対策に向けて事業を計画中です。

​​(背景)

アジアやアフリカ地域の経済発展により、地域内での人の動きが活発になることによって、それらの地域において、エボラ出血熱、デング熱、ジカ熱、SARS、MERSなどの感染症が広がっています。
さらにそれらの地域と他の地域との人的交流も盛んになり、感染症リスクは世界に拡大しています。日本にもそれらの感染症が入ってくるリスクは高まっており必要性は増しています。

​(展開すること)

(1)新興再興感染症治療薬の開発

(2)新興再興感染症検査キットの開発
 

ワクチンは感染症対策において最も重要な医薬品です。同時に複数の感染症への対策として抗体も併用したほうがリスクを低減できます。ワクチンは必ずしも接種者に十分な免疫が形成されるとは限りませんし、流行域住民の相当数(半数~9割)に接種しなければ、流行を効果的に防ぐことができません。また、免疫不全者や新生児にはワクチンの効果が十分に発揮されません。このような状況において抗体医薬が存在すると、①免疫機能の十分ではない人に予防として抗体を投与する、②感染・発症者に治療目的で抗体を投与することが可能になり、ワクチンと抗体医薬が役割を補い合うことができます。そのため、当社は抗体医薬開発の面から感染症コントロールに寄与できると考えています。

現在、感染症の診断手段として非常に多数の診断薬が開発、上市されています。しかしながら、複数感染症を一度に診断できるキットは品目が限られており、例えば空港や病院で外国から渡航・帰国してきた人の原因不明の発熱に対応するのは難しい状態です。これらの機関・施設で求められているものは複数感染症(インフルエンザやマイコプラズマ等一般的な感染症も含めて)を即時検査できるものです。

日本では2014年8月に代々木公園および周辺地域でデング熱が流行した際に、検査に2日間ほどかかることから、相当な病院の負担があったことを経験しています。また、平時においても帰国発病者の隔離診断に多大な労力を要することから、医療関係者の負担はますます大きくなる可能性があります。即時診断・検査キットに関する要望は航空会社、海外出張者を多く抱える商社などからもうかがっています。これらの要望に応える診断薬の開発を計画中です。

検査キット開発はすでに多くの企業が技術を持っており、我々は、すでに事業化している会社と組むことが最適であると考えています。

診断から治療まで

技術系ベンチャー企業は、自社の得意な技術分野に特化し、他の企業と組んで多くのお客様に対してより良い製品を届けるというビジネスモデルを描くことができます。

既にそれぞれの業界で活躍されている企業様と組むことで、当社の技術を製品として世に出し、医療業界に貢献していきたい。その想いから当社は「抗体作製」工程に特化したビジネスモデルを採用しました。優れた技術や、開発力、薬事認可ノウハウ、販路を持つ企業様とのアライアンスにより、お客様に早期に高性能な製品を届ける方式をとっております。

イーベックのビジネスモデル

​得意工程への特化とアライアンス

抗体作製プラットフォーム技術を確立し、複数の製薬企業様にライセンスアウト

パソコン製造工程における

​インテル社のような位置づけ

オープンイノベーションの担い手企業となるために、技術を受け入れる企業様に認められる「再現性がある正しいデータの取得と公表」「アライアンスができる水準のコンプライアンスの実現」というテーマにも創業時から取り組んでまいりました。


その結果、2008年9月にはわが国バイオベンチャー初の海外メガファーマとの取引であるベーリンガーインゲルハイム様(以下BI社)との契約、2011年にはアステラス製薬様との契約を実現しました。

これらの契約が締結できたことは、当社が作製した抗体が医薬レベルの技術水準を保有していること、デューデリジェンスをクリアできる品質水準を保有していることを証明しています。

引き続き、抗体作製能力の向上と同時に品質の厳格化にも力を入れ、多くの企業様とのアライアンスにより、患者様に早く製品を届けたいと考えております。


「80億人の医療をこっそりしっかり支える」というわが社の理念は、製薬企業様や医療機器メーカー様の商品化・製品化による世界の医療レベル向上のために、抗体作製のプラットフォーム技術を持つ当社が果たすべき責務を表現した言葉です。

オープンイノベーションの担い手として
イーベックの強み

01

抗体医薬は医薬品開発の中心となっています。

かつては、低分子化合物を活用した医薬が中心でしたが、2013年の世界の医薬品売上高ランキングでは、上位4位までを抗体医薬が占め、上位10品のうち6品目が抗体医薬です。
トップ10合計売上高約81,902百万ドル中、抗体医薬は合計52,298百万ドルで64.6%を占めています。
モノクローナル抗体医薬の市場規模は、2012年末で約460億米ドル相当、年間成長率約8%で2018年には772億ドルに達すると予測されております。

抗体医薬におけるイーベック技術の優位性

02

イーベックはヒト末梢血からヒトモノクローナル抗体を作製する技術開

に成功しました。


我々の技術であるヒト末梢血から作製する完全ヒト抗体の優位性

(1)副作用が少ない

 もともとヒトの体内にあったもののため、異物と認識されにくく、

 レルギーや抗抗体(抗体に対する抗体)の発生が少ないという特徴が

 あります

(2)効き目が高い

 ヒト末梢血から作製する抗体は、血液提供者の体内において感染と感

 染防御を繰り返すたびに改良が起こるという特徴があり、良い抗体だ

 けが選別されて残っているため効果の高い抗体を得ることができます

(3)わが社独自の技術である

 ヒト化技術などの特許料支払いが不必要です
(4)長期間効き目が続く

 マウス由来の一部では抗体医薬を異物と認識し抗体医薬に対する抗体

 ができる可能性が発生する可能性があります

(5)動物を犠牲にする必要がない

 抗体作製時にヒトの血液のみでよく動物を活用しないため、今後機械

 化等により、より短期間により多くの抗体作製を可能にする余地があ

 ります

ただし、多くの研究者の努力により、マウス由来抗体においても医療用として優れた抗体が開発されており、当社はマウス由来抗体の優位性も理解し、多くの薬の上市を望んでおります。
当社はヒト抗体研究開発の会社としてヒト抗体ならではの機能を生かした研究開発を進めていきたいと考えています。

診断薬、検査薬向け検出用抗体の優位性

03

診断薬、検査薬の一部にも抗体が使用されるケースがあります。診断薬に使用する抗体はヒト体内に投与されることがないため、ヒト抗体の利点である「低免疫原性」については、ほぼメリットがありません。しかしながら、ヒト抗体の強みである、「高抗原結合性」については応用可能です。
診断薬、検査薬向けの検出用抗体としての当社抗体の強みは、ヒト抗マウス抗体(HAMA)の問題が回避できることです。ヒトには、診断薬において偽陽性となりうる要素、ヒト抗マウス抗体(HAMA)というものが少なからず存在しており、ヒト抗体を用いた診断薬開発は、この問題の回避にもつながります。
治療用抗体とは違い、特定の抗原にだけ結合する性質の抗体作製も可能です。当社ヒト抗体を用いることで、検出用抗体としてのその後の工学が簡便になる、HAMAが回避できるなど診断薬、検査薬企業様向けにも優位性のある抗体作製が可能です。

イーベックのビジネス上の優位性

04

(1)グローバルニッチビジネスモデル

 抗体作製のプラットフォーム技術であり、多くの疾病に対する抗体を

 個別に作製でき世界の企業にライセンスアウトします。

(2)個別抗体に対し特許取得可能

 抗体活性度が従来抗体の相当倍あるので個別の抗体に対して新規性・

 独自性を有するため、個別作製抗体に対し物質特許取得が可能です。

 個別抗体開発後に特許化できるため、それぞれの抗体特許の残存期間

 が長いことを活かせる特徴があります:基本技術だと最初に開発して

 から、特許期間が過ぎていくため。

(3)早めに製薬企業にライセンスアウトできる

 抗体医薬は、低分子薬と比較して薬物動態の予測がしやすく副作用の

 リスクが低い医薬品です。特に感染症抗体では、サルなどのモデル動

 物において感染症の予防、治療が可能なことが証明された場合、比較

 的低リスクで臨床試験に臨むことができます。
(4)製薬に必要な研究体制、倫理基準

 複数の製薬企業の厳しいデューデリジェンスを経て導出実績に結び付

 けた実績があります。

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